12月議会最終日・小林純子の討論〜その2〜

賛成討論をしたかったのだけれど

 議案の採決にあたっては、原則として質疑と討論があります。討論には賛成討論と反対討論とがあるのですが、まず求められるのは反対討論です。反対討論がなければ、議案に賛成とみなされ、議長が「ご異議ございませんか?」と問い掛け、議員席のどこからともなく「異議なし!」の声が聞こえると、「ご異議ないものと認めます。よって○○○は可決されました」という手順で、どんどん採決が進んでいくのです。
 しかし、反対討論があると、それに対して賛成討論が求められます。反対意見が出されたのに、それになにも反論しないまま賛成するわけにはいかないからです。こうして討論を戦わせた後には、賛否がハッキリする起立採決をすることになるのです。

 そこでです、長野県後期高齢者医療広域連合の設置については、きっと反対討論があるはずだから、私は賛成討論で意見を言おうと準備していきました。ところが、反対討論する議員はなく、そうなると賛成討論をする機会もなく、すぐに採決となってしまいました。以下は、その発言することなく終わってしまった「幻の賛成討論」ということで記しておきます。

◆長野県後期高齢者医療広域連合の設置について賛成討論
 老人医療費を中心に国民医療費が増大する中、現行の制度では、現役世代と高齢者世代の負担の不公平が指摘されています。このため、国の医療制度大綱では新たな高齢者医療制度を創設し、高齢者世代と現役世代の負担を明確化し、公平で分かりやすい制度とすることとなりました。
 これが抜本的な改革になるとは思えませんが、何らかの手は打たねばならず、後期高齢者医療広域連合の設置もやむをえないことと理解しています。

 しかし規約の内容については疑問点もありますので、いくつか問題を指摘し、改善を求めたうえでの賛成討論ということになります。
 本来ならば修正案を提出するところですが、この規約は広域連合に関わるために、議決に関しては、「同文議決」が原則であることから、修正案の提出ができません。したがって、このような形での賛成討論となったことを、あらかじめお断りしておきます。

 まず、第7条・8条・9条などに関わる、広域連合の議員の選出、議員の構成人数についてですが、同規約では、市議会議員の中から5人、町村議会から5人としています。現在長野県内には81の自治体がありますが、これではあまりに少なすぎ、民意が反映されるとは思えません。また、高い専門性を要求されるにもかかわらず任期2年ということでは、充分な経験を積み力をつける前に次々と議員が入れ替わってしまい、議会としての権能が発揮できないのではないかと心配です。

 また、執行部側に連合長、副連合長として首長が5人いるのに、さらに議会議員としても16人中6人の首長を含むことになっています。この人員バランスのなかで、はたして自由で真剣な議論ができるのかも不安が残ります。

 以上の述べたような問題を、いくらかでも解消していくために、広域連合議会の公開を進め審議の透明性を図ることや、各自治体の担当職員や被保険者も含めた運営協議会を設置することなどを強く要望したうえで、賛成討論とします。