速報・判決言渡し、原告訴え2点を却下、その余は棄却

長野地裁・判決は内容に踏み込まず“門前払い”

・8月7日(金)13:17 開廷  13:22 閉廷
・長野地裁法廷 近藤ルミ子裁判長
・原告側 小林純子、藤原浩  傍聴人6名
・被告側 傍聴人5名 
・報 道 4社

 判決は、訴えを三つに分け、
①甲事件=被告・旧三郷村が平成15〜16年にあずみ農協、八十二銀行との間で締結された損失補償契約に基づき、三郷ベジタブルが負担する債務支払いをしてはならず、無効確認を怠ることは違法であることを確認する。

②乙事件=被告・安曇野市が平成20年に長野銀行と結んだ損失補償契約に基づき、三郷ベジタブルが負担する債務支払いをしてはならず、無効の確認を怠ることは違法であることを確認する。

③丙事件=被告と三郷ベジタブルが平成16年に結んだ施設賃貸契約について、被告が無効確認を怠ることは違法である。

 この原告請求について、甲乙事件の確認を求める部分の訴え、ならびに丙事件の訴えをいずれも却下した。その余の請求はいずれも棄却した。原告は判決を納得できないとして、控訴する方向で検討している。

 判決後、駆けつけた原告側の中島嘉尚弁護士がレクチュアした。
「判決は、訴えの要件をほとんど判断していない。公の施設(トマト栽培施設)の賃貸借契約は地方自治法に違反していることや、安曇野市が三郷ベジタブルから施設使用料をとらないことで同社が不当利得を得ているという、訴えの内容に踏み込んで判断していない。“門前払い”だ。控訴して上級審の判断を仰ぎたい」と述べ、小林原告らが同意した。

 判決は、安曇野市が起債償還するために、三郷ベジタブルが支払うべき施設使用料に相当する年間7200万円を税金で賄っていることや、金融機関からの融資に安曇野市がどのような事情で損失補償しているかについては直接触れていない。
 「三郷ベジタブルの信用だけでは融資ができない場合に、地方公共団体による損失補償がされることで融資を行おうとすることは何ら不当なことではない」と断定している。これ一つ取っても市民感覚からは程遠い判断だと言わざるをえない
(報告・横地泰英)。

※三郷ベジタブルは旧社名で、現在は安曇野菜園という。