一般質問では知らないことはきかない

「議会軽視」という前に、議員はもっと勉強を

 9月議会を目前にした8月30日の市民タイムスの記事、「一般質問に市長が注文〜議員から不満噴出」をご覧になったでしょうか。(右の写真をクリックすると拡大写真で読めます。2007年8月30日の市民タイムス1面より。)

 この記事にある29日の市議会全員協議会は、午後3時終了予定が大幅に延びてしまったので、次の予定が入っていた私は3時40分ごろ退席。その後に、この問題が「その他」の議題で話し合われたとのこと。記事を見て初めて知りました。
 9月議会が始まってからも、あちこちで話題になり、「議会軽視だ」「越権行為だ」などの言葉が飛び交い、「小林さんも『市長、なに言ってんだ』と思うだろ」などと同意を求められたり・・・。その度「私も市長の言うとおりだと思う。一方的に質問時間の短縮を決めたわけじゃないんだから、問題にすることではない。議会軽視だなんて言う前に、議員はもっと勉強しなくちゃ。」と答えてきました。

 今日は、その問題が一般質問でも取り上げられましたが、私としては珍しく(?)平林市長の答弁に頷きながら聞いていました。
 自分のことは棚にあげて、あえて言わせてもらえば、「議会における一般質問とはなにか」それさえ分かっていない議員がまだまだ多いように思います。「知らないことを聞く」のが一般質問ではありません。知らないこと、分からないことは前もって調べておき、それをもとに行政側を追及し、議論するのが一般質問。質問することにより、市の政策を見直させたり、変更させたり、新たな政策提案を実現させたりするのがその目的です。

 穂高町議だったころの話ですが、「CATVで一般質問拝見しました。まず、議員の質問と町職員の答弁、本当にレベル低いですね。とにかく議員が何を聞きたいのか、どうしたいのかがわかっていないので、答える方の職員も同じようにわけがわかりません。1分ですむことをお互いに15分も時間をかけて話します・・・」と、耳の痛いメールが届いたことがあります。

 合併直後の安曇野市議会12月定例会の時にも、「緊張感に欠ける安曇野市議会」だとして市民タイムスが代表質問や一般質問の様子を報じていました。そのときの私の活動報告のページには「一般質問の持ち時間が1時間あると、往々にして質問、答弁ともダラダラと自分の言いたいことをしゃべるだけ、焦点ボケになりがちです。今回選出されてきた28人の議員たちは、これまでの町村議会の現状を打破したい、超えたいと考えて出てきた人たちです。当然のこと、主義主張がちゃんとあり、一般質問は政策実現へ向けての重要な場面と考えているはずです。 となれば、一般質問が単なる「演説」の場ではなく、よい政策の実現や、わるい政策に介入していく場として機能するよう、議員自身がもっと勉強していく必要があると思います。」と書いています。

 あれからもう2年が過ぎようとしていますが、一般質問は相変わらずといったところ。事前に聞いたり調べたりすれば分かることを、質問項目だけはたくさん並べて聞き、再質問もなく「ありがとうございました」で終わってしまう議員もまだまだ多い。
 ですから、議員個々には「自分はちゃんとした質問をしている」という思いはあるとしても、安曇野市議会全体として外側から見たときには、平林市長の指摘はかなり当っていると言っていいでしょう。市長に異議を申し入れるというなら、その前にまず一般質問の基本を学んでおく必要があると思います。