三郷ベジタブル関連住民訴訟第1回口頭弁論

安曇野市は全面的に争う構え

 三郷ベジタブル関連(正式には「地方自治法に基づく怠る事実の違法確認等請求事件」といいます)の住民訴訟は、18日午後4時から長野地裁において、第1回口頭弁論が開かれました。

 当日はマスコミ取材はもちろんのこと、安曇野市の関係者も来るはずだから、原告2人と弁護士だけではいかにもサビシイ。それじゃということで「第1回口頭弁論バスツアー」を企画、傍聴者として一緒に行ってくださる方を募りました。このバスツアーで傍聴に出かけた人は、原告二人も含めると17人。現地集合で傍聴に来てくださった方が6人。報道関係者が7〜8人?そして安曇野市の関係者が3〜4人?といったぐあいで、傍聴席はほぼ埋まった感じでした。
 法廷に入ったのは初めて、原告の二人はかなり緊張していましたが、弁護士の中島先生と並んで座っていたので不安はありませんでした。傍聴席には支援者の姿がたくさん見えて、これまた心強いことでした。

 さて、その裁判ですが、「テレビドラマで見るような法廷シーンを期待しても、ぜんぜん違うからね。お互いに用意した書面を交わすだけだから・・・」と聞いてはいたのですが、ほんとうにその通りで20分ぐらいで終わってしまいました。
 原告の私たちからは証拠書類の提出、被告の安曇野市側の弁護士からは(訴状に対する)答弁書の提出があり、その後に裁判官と弁護士との若干のやり取り(質問であったり確認であったり)があっただけで、実にあっけないものでした。おまけに、法廷用語というのでしょうか、裁判官や弁護士は難解な言葉をつかってやり取りするので、よくわからなかったというのが正直なところ。
 今回は、原告の「意見陳述」が許されたので、もう一人の原告である藤原浩さんが5分間ほど意見を述べましたが、それがなければ傍聴に来てくださった人たちも「拍子抜け」だったことでしょう。最後に、次回の口頭弁論の予定を互いに相談しながら決めて、もうそれで閉廷。

 その後は、長野地裁の隣にある弁護士会館に場所を移して記者会見となりました。中島弁護士から、難解な法律用語を噛みくだいて説明があり、ここで私もやっと「こうじゃないかなあ」と思っていたことが明確になりました。
 答弁書によれば、私たち原告が訴えた「三郷ベジタブルの使用料徴収と損失補償契約に関する、安曇野市の対応の違法性」については、却下(法律の定める提訴要件を充たさないので訴え自体を認めない=門前払い)、棄却(提訴要件は充たしているので審理はするが、請求は認めずに斥けること)の判決を求めており、市は全面的に争う構え。

 三郷ベジタブルの施設使用料支払いについて、市側は「不確定期限の定めがされた」と主張しましたが、「不確定期限の定め」など常識では考えられないことです。中島弁護士も、「不確定期限」について、この次の法廷で説明するよう要求していました。
 損失補償契約については、契約締結日から4年以上が経過しており、監査の対象(1年以内)とならないので住民監査請求自体が無効とする市側の考えに対して、近藤ルミ子裁判長は「契約はされたが、まだ実際に損失補償の支出はしていない。契約締結の日を起算日とする考えについても、この次に説明するように」と求めました。私も「1年以内」という規定は気になっていましたが、市民には契約締結日など知り得ないことだから、知り得た時点から1年以内と解釈し訴えたのです。この裁判長の言葉は目からウロコでした。

 第2回口頭弁論は3月21日になりましたが、それまでにお互いの主張や反論を準備して臨むことになります。